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40代・50代・60代向け求人サービス「はた楽求人ナビ」のデザインで大切にしたところ

デザイン

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今回は、5月にリリースした、40代・50代・60代の向けの求人サービス「はた楽求人ナビ」をデザインするにあたって大切にしたところを解説していきたいと思います。

サービス概要や背景はこちらをご参考ください。
■ 中高年・シニアに特化した求人情報サイト 『はた楽 求人ナビ』をリリース!

中高年・シニアに特化した求人情報サイト 『はた楽 求人ナビ』をリリース!

目次

  1. 中高年向けサービスの課題を考える
  2. 中高年層の特徴ってなんだろう?(ターゲット調査)
    ・ユーザーの男女比率
    ・利用デバイス、PC・スマートフォン・タブレットの割合
    ・中高年の方はサイトをじっくりよく見て読んでくれる
  3. 中高年層の「働く」イメージを良くしたい
    ・中高年の方が「働く」イメージ
    ・サイトのメインビジュアルを「働くだけにしない」
  4. 中高年層の特性から新しい検索導線に挑戦・早く検索結果を見せてあげるが最善策
    ・中高年の方はじっくり読んでくれ”すぎて”しまうのではないか
    ・場所を選択した後に「詳細条件の選択」の導線を追加
    ・懸念点は離脱率が上がってしまうのではないか
    ・結果的に離脱するユーザーはほとんどいなかった
    ・見えないステップも考慮する
  5. おわりに

中高年向けサービスの課題を考える

少子化・高齢化社会により中高年層である「40代・50代・60代」の人口の割合が上がっていることは周知の事実だと思います。

この年代の方達に「働ける場所を提供し、働いてもらうこと」が、このサービスの目的です。

中高年の方は経験豊富な優良な人材であることを伝える

はた楽求人ナビ」では、アルバイト・パートの求人を多く掲載しています。「アルバイト」=「若者・学生」のイメージが根強いため、中高年層の採用を積極的には行わない企業もまだ多いです。しかし、若者の減少と中高年層の増加という中でも、若者の採用を求めてしまうことで、人手不足でお困りの企業が増えているのが現状です。

中高年の方は、社会人としての経験が豊富な方が多いです。接客のスキルが高いなど、実際に現場で働いてもらうと職場で活躍してくれる方もいます。学生の方と違い、長期で働くことを希望する方が多いので、お店にとっても利点はたくさんあります。

世の中で今、中高年層の労働力が必要で求められているということを、お仕事を探している求職者と働いてもらう人を募集している企業側の双方に伝えていくことが課題だと思いました。

中高年の方の特徴ってなんだろう?(ターゲット調査)

ユーザーの男女比率

サービスをリリースして約2週間(2018/05/28現在)で、70%が女性で、30%が男性という結果になりました。事前調査をした時は、もう少し男性の割合が多かったですが、女性の方が多いことは変わりませんでした。これは主婦歓迎のお仕事も多く、パートの求人もたくさん掲載していることから、主婦の方に多く利用していただいているからだと予測します。

利用デバイス、PC・スマートフォン・タブレットの割合

こちらもサービスをリリースして約2週間(2018/05/28現在)で、スマートフォン:約70%、PC:約20%、タブレット:10%という結果になりました。事前調査では、PCの割合がもう少し多く年齢が高い層は、スマートフォンよりもPCの利用者が多いイメージでした。実際には、スマートフォンとタブレットを合わせると80%にもなり、中高年層にもスマートフォンの利用が主流になっていることが分かりました。

中高年はサイトをじっくりよく見て読んでくれる

今回は、アルバイト求人情報サイト「シフトワークス」で「20代」と「40代」で、1人当たりのサイト滞在時間と1人あたりのページビュー数を比較しました。

サイト滞在時間は、「20代:平均1分41秒」に比べ「40代:平均3分04秒」となっています。

1人あたりのページビューの数も、「20代:平均2.6ページ」比べ「40代:平均4ページ」と1.5ページ以上多く閲覧しています。

これらのことから、中高年の方はサイトをしっかりとよく読んでくれることがわかります。ページのクリック数を調べて見ても、40代の方はコンテンツの下の方までクリックされているデータもあります。

中高年の方の「働く」イメージを良くしたい

中高年の方の「働く」イメージ

「働く側」と「働いてもらう側」のどちらにとっても「中高年の働く」イメージを良くしたいと思いました。サービスを作るにあたって、ユーザーインタビューをした際に、「働く側」は「年齢で採用してもらえない」「若い人がやるような仕事は応募しにくい」という声を聞きました。「働いてもらう側」の企業様も若い人や学生の方が採用しやすい傾向があるようです。しかし、実際に中高年の方を採用して働いてもらっている職場では、経験豊富な方が多いので、コミュニケーション能力が高く活躍している方が多くいます。そのようなポジティブなイメージを持ってもらいたいと思いました。

サイトのメインビジュアルを「働くだけにしない」

トップページやサービス説明のページのメインビジュアルを「労働中」の写真だけにすることを避けました。求人サービスなので、もちろん見た瞬間に”求人サイト”であることを認識してもらうことは必須です。

そのため、レジで働くエプロンを着た女性や・作業服やスーツを着た男性など、「労働」をイメージできる写真をメインに配置しました。そこに夫婦でランニングをする姿・子供と一緒に写っている主婦の方・お友達同士で笑顔の中高年の方・ガーデニングをする女性など、労働中ではなくプライベートを楽しむ姿を織り込みました。

これにより、40代・50代・60代の方の「働く」だけでなく、それにより得られる「生活」を楽しむことを想像してもいます。また、同年代の働く姿や、生活を楽しむ姿を見ることで、お仕事を探す意欲につながってもらえれば嬉しく思います。

若い学生やフリーターをメインに採用してきて中高年を採用したことがない企業様も、中高年の方の採用をイメージしやすくなると思います。実際に職場で中高年の方が活躍されればきっと企業様にもプラスになると思います。

中高年の方の特性から新しい検索導線に挑戦

早く検索結果を見せてあげるが最善策

みなさんは求人検索だけでなく、「商品の検索」「お店の検索」「旅行の検索」「不動産の検索」など、何かをインターネットで検索する際にどうやって検索しますか? 一番に思いつくのは、キーワード検索ではないでしょうか?商品名や人の名前などを直接入力します。それは、検索したいものがはっきり決まっていて、1つの答えを得たい時の検索方法です。

例えば、旅行サイトで「北海道の旅行の宿」を探したい時はどうしますか?宿泊したいホテルや宿が決まっているユーザーは「ホテル名」で検索すると思います。しかし、特定の宿泊先が決まっていない場合は、まずエリアから「北海道」を選択して検索すると思います。そして検索結果ページで、大体の宿泊の価格を目にします。そこから、旅行の日程や人数や細かい設定をして絞り込んで行くのが一般的な探し方だと思います。

求人の検索も同じです。まずは、働きたい場所でざっくり検索してもらうことで検索に該当する求人を見てもらいます。そこから「職種」「給与」など、ユーザーが探す条件を追加してもらいます。まずは「ザックリとした検索結果を見てもらう」これが一般的だと言われています。

中高年の方はじっくり読んでくれ”すぎて”しまうのではないか

若い人は、サイトに訪れてパッと見て、自分に有益な情報かどうかを判断してすぐに戻ったり、そのまま進んだりが早いです。

比べて中高年の方の特徴は、文章やサイトをじっくりページの下まで、よく読んでくださる傾向があることがわかりました。これは、サイトを運営側からするととても嬉しいです。

しかし、先ほど紹介した「まずはザックリとした検索結果を見てもらう」の時はどうでしょうか?検索結果が「1,000件」もあった場合は、全てを上から一つ一つの求人じっくり見てしまうと、ご自身が希望する求人を見るけることは困難です。ここでは必ず「条件を追加して絞り込む」という作業を行なってもらう必要があるのです。

じっくり読みすぎてしまう中高年の方に、「求人が多くて自分とマッチしている求人が見つからない」だから「条件を追加して絞り込もう」までの行動をしてもらうのは、時間と労力を無駄に使わせてしまっているのではと仮説を立てました。

場所を選択した後に「詳細条件の選択」の導線を追加

場所を選択してもらい、ザックリした検索結果を見せても、ほぼ必ず条件を追加して再検索してもらう必要がありそうです。

そうであるならば、初めから「場所を選択」の次のステップに「詳細条件の選択」を追加することで、該当件数が絞り込まれる導線にしたら良いのではと考えました。これにより再検索してもらう動作を減らして早くユーザーとマッチしている求人に出会ってもらえるのではないでしょうか。

懸念点は離脱率が上がってしまうのではないかということ

検索導線にステップを追加するということは、離脱につながる可能性が上がるということです。本来1ステップで検索結果までたどり着けていたのに、2ステップになるわけですから。「場所」だけ設定して、とりあえず検索結果を見たい人からしたらハードルはあがります。

結果的に離脱するユーザーはほとんどいなかった

サービスがリリースして「詳細条件の選択」で離脱してしまったユーザーの割合は「2.37%」でした。つまり「97.63%」のユーザーが離脱せずに検索結果まで遷移していることがわかります。

とりあえず検索結果を見たいユーザーにとっては、今回増やしたステップは余計なステップかもしれません。しかし、検索結果を見たいというモチベーションのまま「詳細条件の選択」に誘導することで離脱することなく検索結果まできちんと遷移してくれたと予測します。

見えないステップも考慮する

ステップは少なく簡単な方が良いことは、当然のことです。「1ステップ:場所選択」と「2ステップ:①場所選択→②詳細条件選択」だと、2ステップの方がユーザーの負担になりそうです。

しかし、1ステップにしても「①場所選択→②件数多すぎ条件追加した方がいいと気がつく→③詳細条件選択」と見えないステップが隠れているかもしれません。

ステップを増やすことで、見えないステップを回避し、結果的にユーザーが求めている求人に早くたどり着ける近道になったと思います。

おわりに

私がデザインで解決しようとして掲げた課題は「中高年の働くイメージの改善」と「中高年ならではなの検索導線」の2つでした。今回は、絞られたターゲットだったため、ユーザーの特徴を事前によく調査しました。調べて行くうちに、課題も見えてくると思います。

迷った時は、ターゲットは誰なのかという点に回帰するとヒントが得られるかもしれません。これからも、新たな課題を見つけて行きたいなと思います。

執筆者プロフィール

メディアプラットフォーム本部所属のデザイナーです。最近、飛行機に乗る機会がたまたま重なり、人生で気にも留めなかった「マイル」についてよく調べています。「ANA JAL マイル 違い」で調べた時に簡潔でわかりやすい言葉で表現してくださる方がいました。「ANAマイルは貯めやすい、JALマイルは使いやすい。どちらが良いということではありません。」なんだか言葉の響きが良すぎて勢いでマイルのカードを発行してしまいました。